02.07.00:48
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10.03.16:46
友達と4人でドライブへ出かけた。
運転手も一緒にいるみんなも初心者。 地図を見ながら、 高知の桂浜に出かけた。 ついたときには、 夕方近くなっていた。 みんなで太平洋に向かって、 大きな声で叫んだ。 「バカヤロ~」 「おっきぃ~」 などと叫ぶとすっきりした。 帰るときには暗くなっていた。 慣れない道に、 慣れない運転で、 当然のように道に迷う。 「次右じゃない?」 「まっすぐよ」 などといっている間に、 山の中の狭い道路になっていた。 どんどん闇が深くなる。 トンネルが見えた。 ただ山を掘っただけの、 荒っぽいトンネルだった。 「こんなとこにでるのよねぇ」 「白い服の女がいたりして」 などといいながら、 トンネルに入った。 思った以上に長く、 向こう側が見えない。 しかも、 ところどころ避難帯はあるが、 車一台がやっと通れるような狭いトンネルで、 おまけに電灯も切れている。 ライトの明かりを頼りにゆっくりと進んでいった。 「ねえ、天井に顔がない?」 「やっぱり?見えるよ」 といっているうちに、 トンネルの壁や天井から、 人の顔が浮き出てきた。 「!$#%&($(&$#%&’?$%&#」 声にならない叫びとともに、 車が猛スピードで走り出し、 一気にトンネルを抜けた。 「ブレーキ!」 私はとっさに叫んだ。 急ブレーキの音とともに、 車が横滑りして止まった。 止まったところには、 ガードレールが無く、 下が見えない崖っぷちだった。 「あ…、あ…、あ…」 後ろの席の子が上を指さす。 ! 天井に一杯の人の顔が浮き上がっていた。 「ちっ」 という声とともに、 顔が消えていった。 全員が、 あまりの恐ろしさに放心していたが、 誰とも無く気がついて、 トンネルの見えないところまで車を動かし、 明るくなるまで固まって待った。 夜が明けるまでの約6時間が、 何十時間にも感じられた。 PR
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