忍者ブログ

すべては私の頭の中で…。

フィクションともノンフィクションとも言えない不思議な話です。
01 2025/02 12 3 4 5 6 7 89 10 11 12 13 14 1516 17 18 19 20 21 2223 24 25 26 27 28 03

02.07.07:11

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

10.03.00:17

ケータイ

この夏の話である。
沖さんは、
終電間近の駅へ急いでいた。
駅への近道は、
真っ暗な路地。
終電のことを考えると、
そこを通り抜けるしかなかった。
足早に歩く彼女の足音が響く。
ふと気がつくと、
足音が増えている。
振り返ると、
スーツを着た男性が歩いてくるのが見えた。
街灯の下を通る彼は、
ナイフか包丁のようなものを握りしめていた。
とっさにかけだした。
それでも足音は、
一定の間隔を保ってついてくる。

モノ・マガジン オンライン
必死で逃げて、
あるビルの非常階段を駆け上がった。
足音がついてくる。
幸運にも、屋上の扉の鍵は開いていた。
屋上に飛び出し、
反対側の端まで走った。
フェンスがない。
包丁を持った男は、
一直線に彼女の方にやってくる。
(殺される)
彼女が思った瞬間、
男はその屋上から飛び降りた。
下を見ると、
頭を血の海に横たえた死体があった。
結局事情聴取などで、
終電どころか警察に留まることになった。


警察では話さなかったが、
今でも忘れないことがある。
飛び降りる瞬間の彼の言葉、
「次は君だよ」
彼女は、
すれ違いざまに手渡された携帯を持っている。
捨ててもいつの間にか家に置いてある、
不思議な携帯である。
昨夜、
電話が鳴ったそうだ。
今日、
彼女に連絡が取れない。





PR

10.01.16:31

受け流せない…

夜中に誰かがついてくる。
怖くて振り向けないが、
間違いなく2人の足音が響いている。
線路下のトンネルで、
靴音がやけに響いた。
トンネルを抜けると、
足音が増えている。
思わず走り出した。
声が出ない。
かまわず走り続ける。
足音達はどんどん迫ってくる。
自宅の門をくぐって、
玄関を開けようとしたとき、
耳元で、
「つぅかぁまぁえぇたぁ~」
と声がした、
意識が遠のいた…。

 

母親に揺り起こされた。
私は玄関先で倒れていたらしい。
私の玄関にぶつかる音で起きて出てきたそうだ。
出てきたときは、
誰もいなかったそうだ。
「でもね…」
母親が言った。
「あなた、あお向けに倒れてたのよ。」
自分も扉に飛びついたのだから、
あお向けに倒れるのは不思議だった。

DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売
起き上がった私を見て、
母親が驚いた。
「あんた何、その背中」
ワンピースの上から下まで、
10個もの手形がついていた。
それも血で…。

09.30.21:43

放火犯

うちには家の北側に門がある。
その門に入ると、
プロパンガスのボンベと、
自転車が4台置いてある。
そして、
ボンベに隠れるように、
灯油の入ったポリタンクが2本ある。
私の部屋はその真上にあり、
窓からいつでも人が来たのが見える。
先日、
夜中に物音がした。
何気なく窓の下を見ると、
人が立っていた。
その人は、
門を通って中に入り、
裏庭をうろうろしたあと、
灯油を見つけ、
ふたを開けて家の北と西の壁にまいた。
そのあと、
二本のガスボンベのホースを引きちぎり、
倒して家の横に置いた。
そして、
灯油をかけながら門の外へ出て行く。
不思議にも、声が出ない。
体も動かない。
門から数メートルほど離れたところで、
ジッポに火をつけ、
灯油の端に落とした。
梅雨の導火線を炎が這ってくる。
逃げないと危険だ。
と思いながら動けない。
道の男がこっちを見てニヤリと頷いた。
その瞬間、
階下で大爆発が起こり、
目の前がオレンジに染まった。


夢だった。
翌朝、
現場に行くと、
かすかに灯油のにおいがし、
灯油缶の灯油が減っていた。

<<< PREV     NEXT >>>