うちには家の北側に門がある。
その門に入ると、
プロパンガスのボンベと、
自転車が4台置いてある。
そして、
ボンベに隠れるように、
灯油の入ったポリタンクが2本ある。
私の部屋はその真上にあり、
窓からいつでも人が来たのが見える。
先日、
夜中に物音がした。
何気なく窓の下を見ると、
人が立っていた。
その人は、
門を通って中に入り、
裏庭をうろうろしたあと、
灯油を見つけ、
ふたを開けて家の北と西の壁にまいた。
そのあと、
二本のガスボンベのホースを引きちぎり、
倒して家の横に置いた。
そして、
灯油をかけながら門の外へ出て行く。
不思議にも、声が出ない。
体も動かない。
門から数メートルほど離れたところで、
ジッポに火をつけ、
灯油の端に落とした。
梅雨の導火線を炎が這ってくる。
逃げないと危険だ。
と思いながら動けない。
道の男がこっちを見てニヤリと頷いた。
その瞬間、
階下で大爆発が起こり、
目の前がオレンジに染まった。
夢だった。
翌朝、
現場に行くと、
かすかに灯油のにおいがし、
灯油缶の灯油が減っていた。
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